当サイトに訪問いただき、ありがとうございます。

お酒はもう飲まない?ソバーキュリアス(Sober Curious)とは

このサイトでは“ノンアルコールドリンク”について紹介しています!

今回はドリンクの話ではなく“Sober Curious(ソバーキュリアス)という思想についてです!

あまり聞き馴染みのない言葉だと思いますが、飲めるのにお酒を敢えて飲まないという考え方です。

“Sober Curious(ソバーキュリアス)”とは何なのでしょう?調べてみました!

Sober Curious(ソバーキュリアス)とは?

Sober(しらふの、地味な落ち着きのある)、Curious(好奇心をそそる、興味深い)という意味で“お酒は飲めるが敢えて飲まない”もしくは“少量しか飲まない”というライフスタイルです!

背景には近年の健康志向、そしてマインドフルネスのブームがあります。

マインドフルネスとは経験や先入観などの雑念にとらわれず、「今、この瞬間」を大事にし、あるがままに受け入れる生き方で、実践することによりストレスの軽減や集中力アップなどの効果が期待されるそうです。

なので、ソバーキュリアスとは禁酒や断酒とは違い、我慢を強いるわけではなく“自分が考えた上でお酒と付き合う”という考え方になります!

2013年にノンアルコールのカクテル、モクテル(Mocktail)が大流行したイギリスでは、学術誌「BMC Public Health」の16~24歳の若者1万人を対象とした飲酒に関する調査で、アルコールを飲まないという人は2005年に18%だったのに対し、2015年は30%に上昇したそうです。

元々、日本のような“居酒屋で食べながら飲む”のではなく、イギリスはパブで“飲んで飲んで泥酔する”というのが当たり前だそう。

イギリスのアルコール問題は根深く、量が飲め、家族や仲間と飲んでいると歯止めもきかず、アルコールを手放せない人が増え、中毒の人がホームレスになるなど社会問題になっていたようです。

ちなみにアルコールの強さは人種により異なり、アルコールを摂取したときに発生する有害物質アセトアルデヒドを分解する酵素が、白人や黒人(欧米やアフリカ系の人)は100%の人が働きが良い人なのですが、日本人の4割は酵素の働きが弱く、アルコールに弱いと言われています。

僕はこの4割の人になりますね…

アルコールは危険?

世界ではアルコール(お酒)の風当たりが段々と強くなっているようす。

2010年WHOで「アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略」が採択され、“全世界でアルコールの過剰摂取により、毎年300万人が死亡しており、これは全死亡の5.3%。またアルコールの過剰摂取は200以上の疾病や傷害の原因因子とされている”

とあります。

また最近よく聞くようになった国連主体のSDGsにも“達成目標3・すべての人に健康と福祉を”に“3.5薬物乱用やアルコールの有害な摂取を含む物質乱用の防止・治療を強化する。”とあります。

日本では厚生労働省の「健康日本21」に「通常のアルコール代謝機能を有する日本人においては、節度ある適度な飲酒として、1日平均純アルコールで20g程度である」とあり、

これは大体ビール中ビンだと1本(500ml)、日本酒だと1合(180ml)、酎ハイ(7%)350ml缶だと1本になります。

しかし世界では、医学四大誌Lancet(ランセット)誌に2018年4月、英ケンブリッジ大学などの研究に「死亡リスクを高めない飲酒量は、純アルコール換算で週100gが上限」と日本の基準を下回り、また同年8月には「195の国と地域で23のリスクを検証した結果、健康への悪影響を最小化するなら飲酒量はゼロがいい」と結論づけているそうです。

調べていて知ったのですが、日本は比較的飲酒に対して寛容のようです。

日本は24時間、基本的にどこでもお酒を飲むことは許されていますが、宗教によりイスラム教圏の国はもちろん禁酒。キリスト教もアルコールを摂ることは禁止していませんが酩酊には厳しく、信者が多いアメリカでは州により、日によって“安息日”として禁酒になることがあります。

他にも、アルコール類を持ち込めない国や観光地や公園、ビーチ等公共の場でお酒を飲んではいけない国もあるので注意が必要です。また自分の酒量を超えてお酒を飲みすぎて倒れても同情はされないし、そもそも酩酊するまで飲むことは「悪」とさえされているようです。

ソバーな習慣

こういった流れや文化から欧米やオーストラリアのミレニアル世代(2000年以降に生まれた人)を中心にノンアルコールドリンクを飲む習慣が生まれます。

イギリスでは12月のクリスマスや年末に続くパーティーで大量に飲んだお酒から離れ、1月の1カ月間断酒する“Dry January(ドライジャニュアリー)”というイベントが2013年から始まりました。

実際、イギリスの人は1月に自己改善の気運が強くなり、ジムに入会したり、健康食を摂ったりダイエットを始めたりする人が増えるそうです。

Alcohol Concern(現在はALCOHOL CHANGE UK)という非営利組織が始めたこの“Dry January(ドライジャニュアリー)”というイベントは、初年度は4000人の参加者でしたが、2019年には推定420万人が参加したとされています!

このイベントは他の国でも影響を与え、カナダやベルギーは2月“Dry February”、オーストラリアやニュージーランドでは7月“Dry July(オーストラリアは10月”Sober October“も)”で、小規模なものも含めると各国でたくさんのイベントが開催されています。

1カ月断酒をした後に生活が変わり、イギリスのサセックス大学の研究チームが2018年、800人に調査した結果、1月から7カ月経った8月時点でも飲酒の量が減ったと回答した人が多かったそうで、週平均4.3日あった飲酒日数が3.3日に減ったそうです。

またその他のメリット、体重の減少、快眠、精神的充実、肌改善、お金の節約など心身ともに様々な変化があり、こういった成功例を受け、世界に広がっています。

まとめ

こうやって書いているとアルコール(お酒)のことを否定しているみたいですが、僕自身がほとんど飲めないからと言ってそういうわけではありません!

Sober Curious(ソバーキュリアス)の人もあくまでも“自分がどう付き合うか”なので、こちらもアルコール(お酒)を否定しているわけではありません。

また、断酒ができない人でも「お酒をたくさん飲み酔っぱらう」のではなく週末だけご褒美に飲む、自分が感じたことを思いながら飲むなど「計画的に、味わって、ゆっくり飲む」ことで満足感を得、飲酒量を減らすというMindful Drinking(マインドフルドリンキング)、“意識的にお酒を飲む”という習慣もあります。

ただ、今回調べてみた結果、世界的にみてもアルコール(お酒)の摂取は確実に減少に進んでいることがわかりました。

日本でも2009年にノンアルコールビールが登場し、10年前に比べるとノンアルコールの市場は4倍以上に拡大しているので、

“飲みにケーション”から“アルコール・ハラスメント”に変わっているくらいですから、これから日本でもSober Curious(ソバーキュリアス)は確実に広まっていくのではないでしょうか?

そして近い将来、もしかしたら自由にお酒が飲めない時代が来るかもしれませんね…。