このサイトでは“ノンアルコールドリンク”について紹介しています!
今回は“ノンアルコールカクテル”について!
”ノンアルコールカクテル”はなぜできたのか?どのような飲み物が”ノンアルコール“カクテル”なのか?
そんなことを調べてみました!
ノンアルコールカクテルとは
ノンアルコールの前にまず、アルコールの入っている“カクテル”について。
国語辞典に載っている定義は「ウイスキー、ブランデー、ジンなどの洋酒に、果汁、ビターズ、シロップ、香料、などを加え、氷を入れて混ぜた飲み物。混合酒。」です。
〈酒+サムシング(something)のミックスドリンク=カクテル〉
そうすると、もはやノンアルコール”カクテル“は成立しないように思いますが、そこの線引きは曖昧で、言い換えれば
〈ベースとなる飲料+サムシング(something)のミックスドリンク=ノンアルコールカクテル〉
となるかもしれません。
そうなると、“コーヒー牛乳”も“カルピスソーダ”も“マンゴーラッシー”も広義では“ノンアルコールカクテル”となりそうです。
なんだかただのミックスジュースですね…それらとの違いは何なのでしょう?
禁酒法時代
歴史を遡ると “ノンアルコールカクテル”が出始めたのが1920~1933年、アメリカの禁酒法・禁酒運動の時代です。
この禁酒法(禁酒運動)、なぜ施行されたかというと“お酒”そのものへの反対ではなくお酒を提供する“酒場”への反対運動だったと言われています。
男性のアルコール(お酒)依存による家庭内暴力や貧困が問題になり、それを扇動する“酒場”として、
1873年に“キリスト教婦人禁酒同盟”が結成されるなど元々禁酒の流れはあったそうですが徐々に様々な州へ広まりをみせ、1920年に憲法修正に至りました。
このことが“ノンアルコールカクテル”が広まるきっかけにもなります。
この禁酒法時代に、教会の婦人会から募金目的の料理本が出版され、その中にノンアルコールカクテル(パンチやクーラー)のレシピがあり、家庭で楽しむようになりました。
しかし、禁酒法は様々な混乱を生み14年しか続きません。
シャーリーテンプルの誕生
禁酒法廃止後、自宅に友人や仕事仲間を招待して飲み物や軽いおつまみを出して楽しむ“カクテルパーティー”が流行ります。そこでは子供たちも参加し、大人が飲んでいる飲み物に興味を持ちます。
そんな子供たちのために誕生したのが、1930年代に国民的人気を集めていた子役にちなんで名付けられた“シャーリーテンプル(ジンジャーエール+グレナデン+レモン)”です!
この流れの中で“健康や秩序を害するお酒”というイメージも広まり、ノンアルコールカクテルは子供だけでなく大人の間にも広まっていきます。
ちなみに子役のシャーリー・テンプルは皆さんも見たことがあるであろう、メンソレータムに描かれている女の子です!
現在のノンアルコールブーム
現在“アルコール(お酒)”はダサい、健康に悪いという“Sober Curious(ソバーキュリアス)”という思想がイギリスやアメリカ、オーストラリアで広がっています。
Sober(しらふの、地味な落ち着きのある)、Curious(好奇心をそそる、興味深い)という意味で、近年の健康志向やマインドフルネスのブームで、ハーブやフレッシュフルーツを多用し、味も見た目にも楽しめる“ノンアルコールカクテル(モクテル)”が飲まれています。
“モクテル”と並び、聞いたことがある人もいるかもしれませんが、現在のブームは禁酒法時代に一度ノンアルコールの流行りがあったので、〈第二次〉ノンアルコール(カクテル)ブームと言えそうです。
※マインドフルネス→「今、この瞬間を」大事にする生き方。実践することにより、ストレスの軽減や集中力アップなどの効果が期待される。
まとめ
色々調べてみましたが結局のところ “ノンアルコールカクテル”はちゃんとした定義がないみたいですね。
歴史的にも浅く、飲料メーカーが多くの工夫を凝らした飲み物を出す時代になったので(最初の企業化ジュース1869年ウェルチ、1886年にはコカ・コーラが起業)ちゃんとした定義が確立されていないのでは?と思われます。
言うならば現在発売されている清涼飲料水のほとんどは“ノンアルコールカクテル”になりそうです。
でも実は、清涼飲料水との線引きも曖昧で、現在企業から販売されているアルミ缶のノンアルコールカクテル(サントリーの“のんある気分”やアサヒの“スタイルバランス”等)は法律上、清涼飲料水として販売されていて“お酒を飲んだ気分になれるか”が重要視されている感じがします。
このページの最初に出た“コーヒー牛乳”や“カルピスソーダ”も“マンゴーラッシー”も広義ではノンアルコールカクテルになりますが、今の“モクテル”や “ノンアルコールカクテル”と呼ぶには作り方や素材、またはグラスや飾りなどを工夫し雰囲気を出した方が世間には受け入れてもらえそうですね!